シリーズ こんなに危険浜岡原発 「でんき予報 」情報操作の実態
その日によって、供給量を変えて、常に使用率を80~90%にする
今年の夏、毎朝テレビで報道された「でんき予報」これには情報操作とも言うべき実態があります。
これは、今年一番暑かった8月10日の「でんき予報」14時台には、2520万キロワットの電気を使用すると予測し、それに対し供給する電力は2821万キロワットで、使用率を89%と想定しています。
そして、これは反対に一番涼しかった7月29日です。この日は涼しいので1980万キロワットしか使用しないと予想していますが、上の8月10日には2821万キロワットだった供給電力はを、この日は2334万キロワットに約500万キロワットも”下方修正”し、使用率を84%としています。
この供給電力量とは、実際の発電能力量ではなく、その日の気象状況に併せて、これだけ供給しますよという中電の計画値です。実態に合った数値ではないのです。
※ちなみに、浜岡を除いた中電の発電能力は2911万キロワットであり、実際の使用率は8月10日なら86%、7月29日なら68%になります。
そして、これは実態に合った報道をしている中日新聞の記事。ピーク需要は、当然その日の状況で変化しています。(赤線は今年、黒線は昨年)それに対し、供給力(青線)はほぼ一定、その日に応じて発電能力が乱高下するわけがなく、ほぼ実態に基づいた報道をしています。
所が、上の「でんき予報」は、左の図のように、ピーク需要に応じて供給力もそれに併せる形で変化させ、どんなに暑い日でも涼しい日でも、常に使用率を80~90%にするように見せかけて、それを毎日テレビで報道していたのです。
しかし、ほとんどの人は、当然、供給電力の数値がその日によって変化している事に気がつきません。
皆さんが一番注目するのは、使用率です。これが毎日毎日80~90%になっている。こんなことを毎日見れば「やっぱ、浜岡がないと電気がやばいんじゃないか」と思うにきまっています。
中部電力は、浜岡を運転したい立場だから、こういう事をするのもわかりますけれど(理解はしませんが)正確な情報を国民に知らせるべき立場の報道が、毎日放送するのはどういう見識なのか?中電と組んで意図的にしているのか、それとも、検証もせずただ垂れ流すだけになり下っているのか。いずれにしても、報道として失格だと思います。
中電は、このやり方をよほど気に入ったのか、頼まれもしないのに今年の冬も「でんき予報」をすると言っています。その際は、是非、”供給電力量の変化”にご注目ください。
2011/11/16