呆れた安倍首相のIOC総会「汚染水は完全ブロック」発言
東電も「外洋に流出したのは否定できない」 被災者から非難の声続出
安倍首相は国際オリンピック委員会総会(IOC)で、海外メディアから質問が相次いだ福島第一原発の汚染水流出問題で、「状況は完全にコントロールしている」「汚染水の影響は完全にブロックしている」と演説しました。
しかし、現実は全く逆です。汚染水が地下水や海洋に流出し制御できない危機的状況が今も続いています。
首相は、「港湾内の範囲内で完全にブロックされている」と述べました。首相の言う港湾内とは福島第1原発の堤防に囲まれた範囲です(写真参照)
ところが、東電によると「港湾内と外洋との海水の行き来は完全にゼロとは思っていない」と首相の発言を否定。さらに東電は1~4号機前の狭い内堤防部分と外洋の海水はそれぞれ一日50%も入れ替わっているとしています。首相の発言の根拠はどこにもないどころか、汚染水の海洋拡散自体東電は否定していないのです。
地下水や排水溝からの流出も否定できずにいる東電
また、貯蔵タンクから漏れた300トンの高濃度汚染水が排水溝を通じて外洋に流出した可能性も東電は否定できずにいます(写真A)
更に、タンクから漏えいした汚染水が地下水の汚染にまで発展している可能性もあります。9月9日、タンクの北側にある井戸から猛毒のストロンチウムが一リットル当たり3200ベクレルも検出されました。これらの問題についても、東電は「調査中」を繰り返すだけで除染対策ひとつ示すことはありません。
これでも「コントロールされている」「完全にブロックされている」と言えるのでしょうか?
※被災者や海外メディアの声
「首相発言に対しIOC委員はもっと怒らなければならなかった」(ドイツ紙)
「周辺国から祝福と協力を受けるには、まず汚染水問題で周辺国を安心させることだ」(韓国紙)
「状況がコントロールされているなら、なぜ次々と汚染水漏れ事故が起こるのか」
「何を根拠に今も現在も将来も全く問題ないと言えるのか。被災者の苦しみに正面から向き合わず腹立たしい限りだ」(いずれも被災者)
2013/9/16