シリーズ消費税その7 増税で国の借金また”増える”
国地方併せて900兆円もの借金をどうするんだ?消費税をあげて将来世代にツケを残すべきではない。消費税増税論者がよく言うセリフです。また国民の中にも心配するが故に”増税止む無し”と考える方もいらっしゃいます。
消費税は、導入当時(1988年)も3%から5%へ増税当時(1997年)も、同じ理由が言われました。決まって使われる言葉は「財政危機をどうするんだ」と「将来の高齢化社会のために」です。
歴史の教訓から学ぶべき
左の表は国の借金残高の推移です。問題なのは1997年、消費税が5%になったのを契機に飛躍的に借金が増えている事です。
なぜこういった事になったのか?
時の政府は、消費税増税と同時に法人税減税を行いました。1998年に37%から34・5%に、翌1999年には30%にしたのです。
法人税は赤字企業には課税されません。日本の経済の屋台骨を支えるのは中小企業ですが、そのほとんどが赤字です。消費税の増税は大企業の減税の穴埋めに使われたのです。
そして見過ごせないのが、消費税の増税が税収全体の減少を招いたことです。
右の表は1997年を境にした税収の状況、消費税は5%になったので税収は増えていますが、法人税は減税されて減収となっています。
しかし税収全体が大きく減少している、これは消費税増税によって個人消費が冷え込み税収全体の減少を招いた結果です。この当時の日本経済はバブル崩壊から徐々にですが個人消費が増えつつあったのですが、消費税増税で一気に景気が冷え込みました。「増税は失敗であった」と当時の施政者からも反省の声があります。
野田内閣は、こうした歴史の教訓から何も学ばず、これ以上の増税と法人税減税を行おうとしています。
2012/6/29