年間2000万負担増でも実施された病院給食民間委託
人手不足はさらに深刻に
6月議会一般質問で取り上げました
4月から開始された市立病院の給食民間委託、人手不足を解消するための委託と病院は説明してきましたが、逆に深刻な事態に陥っています。
学校給食と違い365日稼働、朝食から作るので早朝から厨房従業員は出勤します。勤務シフトは早番(朝5:30~昼1:45)遅番(朝10:00~夜7:00)休み番の3シフトを30名ローテーションで切り盛り。ところが委託後は朝晩遅番の通し勤務(朝5:30~夜7:00の13時間半拘束)をする職員が複数発生、その中には4月の休日がたった1日の職員もおり、残業時間は過労死ライン(月80時間)の2倍に達しています。委託前にはなかった事態です。また、調理業務は受託会社(㈱グリーンハウス)で雇用された職員が担い、市は人件費を含めた委託費(2年間で約2億7000万)を業者に支払っています。ところがグリーンハウスの職員だけでは業務が回らないので病院の職員が毎日5名応援に入る状況。これは委託契約違反です。解決するはずだった人手不足はかえって深刻になり何のための委託だったか問われます
4月は19回、5月は13回の作り間違い、 配膳遅れも発生
消火に適さないものを混ぜる、禁止食材の使用、飲み込みに適さない切り方などの作り間違いが月間90食中、4月19回、5月13回も発生、配膳時間遅れも発生しています。こうした業者に「医食同源」と言われる病院食の調理運営を任せる事ができるでしょうか?
栄養士を募集すれば直営でも人は集まる
一連の事態に対し病院の答弁は「不慣れな職場環境」で一時的なものでありいずれ解消するとしました。しかし委託実施決定から開始までの昨年度1年間は「準備期間」として充てられてきました。この期間中しっかりと対応していれば今日のような事態は生じません。
また、直営時に何度募集しても人が集まらなかったのは事実ですが、調理師資格を持つ人を対象としていました。実際の調理業務は調理師だけでなく栄養士が主に担っており、静岡県の栄養士会会長(元市立病院の臨床栄養科長)は「栄養士は余っている」と言っており、その事実は病院も承知しています。直営でも栄養士を募集すれば人手不足は解消し、委託でなければ解消しないというものではありません。