首相が決めて首相がチェックする(秘密保護法重層的チェック)
政権に都合悪い秘密は隠す仕組み
強行採決の連続で成立した特定秘密保護法の施行(12月1日)に対し、日本共産党は11月4日の参議院で政府の恣意的な秘密指定に外部チェックが働かない仕組みになっていることを告発しました(仁比聡平議員・参議院予算委員会)
「重層的チェック期間」とは?
政府は秘密指定・解除について「内閣保全監視委員会」「独立公文書管理監」という機関を設けて「重層的にチェックする」とし安全性をアピールしています。
しかし、保全監視委員会は首相が指定した秘密を首相自身がチェックするのを指定官庁のトップが補佐するもの。日本の外交、安全保障の司令塔と位置づける国家安全保障会議などの重要情報など、内閣官房が関わる秘密の場合は、総理が指定した秘密を総理がチェックするだけで、何のチェックにもなりません。
独立公文書管理監についても、首相が指定した秘密を首相が任命する内閣府の部下がチェックするものでしかありません。
この質問に対し、首相は「国民から選ばれた国会議員に選出された私が国民の立場に立ってチェックする」と、自分が全て行って当然と言わんばかりの驚きの答弁。しかしながら、自分自身が指定しチェックする仕組み自体には反論できず最後には「政権がかわったら次の首相がチェックする」などと言い出す始末でした。
米兵宿舎建設さえ秘密事項に
沖縄の辺野古基地建設では、30棟以上の兵員宿舎や二つの運動場などの米兵関連施設の建設が住民に知らされないまま建設が計画されています。この問題は、日本政府も米軍と協議し認識していたのですが、地元にも国会にも知らせずに進めようとしています。また、オスプレイ配備も国民に隠してきました。現在でも、重大な安保政策ですら公表しない政府でありながら、さらに秘密指定を強化拡大する必要などありません。
2014年10月28日 しんぶん赤旗きじより