デメリットと混乱の食料品2%ポイント還元、キャッシュレス決済 増税見送りこそ経済対策
混乱必至、消費者にメリットはあるのか?
消費税増税対策の施策の一つである2%ポイント還元。詳細は未定ですが、中小小売店や中小飲食店などでキャッシュレス支払の時には消費者に2%がポイントとして還元される制度です。
還元制度は購入や飲食後の会計時に2%ポイントがつく制度、後で利用するというものです。消費者にとってどれだけメリットとなるでしょうか。
まず、貯めたポイントはどこで使えるのか。規模にかかわらずどこでも使えるならまだしも還元された店でしか使えないならメリットはわずかです。また、どのカードに貯められるかも問題です。現在でもクレジットカード、スマホ(QR決済カード)、スイカなど多くのキャッシュレス媒体があるなかで、どのカードでも貯められればメリットとなりますが、使えるカードが限定されればメリットはごくわずかです。しかも還元される期間は1年間限定、これで増税の経済対策となり得るでしょうか。
事業者にはデメリットしかない
事業者にとってはデメリットばかりです。まずキャッシュレスレジシステムを導入しなければなりません。それだけでなくカードリーダーや決済のためクレジット会社に支払う手数料負担が発生します。
また、食品以外の電気、ガス、水道や消耗品費は10%増税となるので、経費は確実に増えます。増税前と同じ値段で売ればその分利益は減ります。
キャッスレスにすれば顧客が増えると政府は言いますが、ライバル店がキャッシュレスにすれば顧客は流れてきません。また大手より2%安く販売できるとされていますが、元の値段が高ければ(中小商店は高くせざるを得ない状況に置かれている)何の意味もありません。品揃えが少なくフードコートもない店に来る可能性がどれほどあるでしょうか。
しかも前述の通り1年の期間限定、その期間が過ぎてもクレジット決済利用者が来ればカード会社に手数料を支払わなければなりません。
こんな制度が中小業者のためになるでしょうか?かえって負担を背負わされるだけです。増税をやめる事こそ経済対策です。