さらに経常と臨時という分け方がある
前項では「一般財源と特定財源」「依存財源と自主財源」の分け方に触れましたが、さらに一般財源は「経常」と「臨時」で分けることができます。
「経常一般財源」
まず、経常的なものといえば毎年きちんと入ってくる収入のことです。家計で言えば給料にあたります。自治体ですと、地方税や地方交付税が相当します。
決算カードの「歳入の状況」欄には、右隣に「経常一般財源等」の欄があります。わざわざ決算額と併せて「経常一般財源等」の欄を設けているのは、経常一般財源がどれくらいあるかは、自治体の財政力の鍵であるからです。行財政運営を進める上で大事な視点だと言えます。
「臨時一般財源」
これに対し、臨時的なものとは、一年、もしくは数年間、臨時的に入ってくる収入のことです。家計で言うと、実家からの仕送りや資産を売却した時の収入とか。自治体ですと、財産収入、都市計画税、特別地方税交付金などが該当します。
歳入の体系を表にし分析して把握してみる
それでは、平成24年度の藤枝市の決算で、歳入の体系を具体的に表にしてみたいと思います。
使う資料は、例によって決算カードです。どの自治体も同じフォームで作成されているので、比較分析ができます。総務省のホームページからどなたも見れます。
下記の表は、藤枝市の24年度決算で一般会計の歳入がどういう構造になっていたかを表にして分析したものです。表にすると、一般会計がどういう財政構造から構築されているかがよくわかります。
これらは、いずれも決算カードから作成する事ができます。その説明をします。
①歳入の状況から、歳入全体の合計額 藤枝市は約448億
②下段の表参照
③特定財源 歳入の合計額①から一般財源②を引いた残額が特定財源 決算カードに記載はないが、簡単に計算できる 藤枝市は約122億円
④経常一般財源等、「経常一般財源等」の合計が記載されている
⑤臨時一般財源等、一般財源等合計②から経常一般財源等合計④を引いて算出する。決算カードに記載はない。藤枝市は約73億円
⑥地方税 経常一般財源等の欄に地方税の合計欄がある 藤枝市は約190億円
⑦普通交付税 地方交付税の額 藤枝市は約39億円
⑧その他の経常一般財源等 経常一般財源等合計④から地方税⑥、地方交付税⑦を引いた額、決算カードに記載はない。藤枝市は約24億円
⑨市町村民税 住民に身近な税収 平成23年決算カードには総合計が記載されてたが、平成24年度カードにはなぜか記載がない。市民税の個人均等割、所得割、法人均等割、法人税割を合計して算出 藤枝市は約91億円になる。
⑩市町村民税のうちの固定資産税額 藤枝市は約88億円
⑪その他の普通税、軽自動車税やたばこ税など、地方税合計額⑥から市町村民税⑨と固定資産税⑩を引いて算出、決算カードに記載はない。藤枝市の場合約11億円
⑫市町村税のうち 個人市民税額 個人均等割2億と所得割74億の合計
⑬市町村税のうち 法人市民税額 法人均等割3億と法人税割11億の合計
決算カード下段
②歳入一般財源 歳入のうち一般財源が占める金額 藤枝市は約326億円
これらを元に作成した分析表が前述の表です。
歳入全体の体系が、表にすることによって把握できやすいかと思います。