健康福祉委員会、2015年10月14日(水)~15日(木)三重県名張市・奈良県大和高田市
常任委員会、健康福祉委員会の秋の視察の報告です。
1日目は、三重県名張市。研修の主なテーマは「切れ目ない子育て支援」でした。
今年度から実施の子育て新制度で公的保育の役割が大きく後退させられています。そのもとで、各自治体はいろんな努力で支援制度を充実させるようにしています。
名張市は三重県ですが、近鉄で大阪まで50分と言う位置ですから急速にベットタウンとして発展、その多くが子育て世代です。それは将来高齢化世代が一気に増えるという悩みも抱えています。
町の形態は、中山間地がなく平坦地です。いくつかの市の拠点が分散し、それぞれの分権が進んでいるようで本市と全く異なります。人口は約8万人。
子育て政策は「少しだけおせっかい」をモットーに、特に支援の薄い妊婦の時期(定期健診くらいしか妊婦支援がなく悩みを聞いてれるところがないなど)に焦点を当てた施策が行われていました。
それを主に行うのは、市内各地区の公民館や公的場所に併設する形で設置された「まちの相談室」ここに要資格者が2名常駐して相談体制を取っています。
ただ市直営なのはいいけれど、嘱託職員扱い。不安定な雇用で専門的な仕事が継続的にこなせるのか疑問です。
また、以前の市長が行革の名のもとで人員の削減に大ナタをふるったために、いまになって公的支援を復活させたという側面も見えました(介護の包括の枝的存在といっていたが、包括は市内1か所でしかない)
本当に子供を増やしたいのであれば、今の女性が「産みたくても経済的に育てられない」といった理由で妊娠をあきらめている、その解決こそ必要でしょう(国がはしごを外しているので自治体で出来る事が限られる)
2日目は奈良県大和高田市。ここは私が大学の時に勉強した古代史のさと「飛鳥」にほど近い地域。何度か自転車で回ったこともあり懐かしいです。
人口は67500人、高齢化率は高く65歳以上の人が18000人で独居が4000人。今日の研修テーマは地域包括ケアです。
ここも名張同様中山間地はなく、市街はせまく、しかも市立病院はじめ市内の4病院が病院内で療養型医療を行っているので、本市のように地域で療養を担わさせる条件ではない。ある程度医療機関で介護分野を実施できている市です。
特に、住民が自らの意思で補助金もなく、独居はじめ介護状況になりつつあるお年寄りの居場所を作っている実態は、本当にそういう人がいるのか?と思いましたが、それは上記の条件下ですから出来たのではないでしょうか。仮に本市で補助金もなく居場所を作れと言っても、やる仕事の範囲は広いし介護事業ではないから介護報酬もないしといった条件で手を挙げる人はまずいないのではと思います。
本市で学ぶとすれば、この点でしょうか。地域包括ケアの最大の問題は、医療が必要ながら病院から出されて、本人や家族の希望は入院なのに在宅にさせられることです。その解決には、療養型の医療介護施設の増設こそが必要で住民に頼る事は限界が見えるに決まっています。