志太広域事務組合 東京都ふじみ衛生組合(三鷹・調布)消防庁防災館(浅草本所) 8月4日(月)~5日(火)
志太広域事務組合の視察報告です。
現在、志太広域(藤枝焼津2市で構成)の最大の懸念事項は、使用期限が切れた清掃工場(ごみを燃やす工場)の新たな建設です。
現在、藤枝の仮宿を候補地として環境アセスの段階に入り静岡県に方法書を提出していますが、肝心の炉の構造(燃やすか・溶かすか)や炉数、処理量なども決まっていません。
初日は、ふじみ衛生組合のグリーンプラザふじみ。ここは三鷹市武蔵野市の2市のごみを受け入れています。
建設の進め方は、最初組合が”たたき台”を示し(処理方式は「溶かす」形、運営は公設民営※PFIと呼ばれる方式、資金調達は民間金融機関が行い、償還は建設終了後運営開始から実施する※金融機関の審査が厳しくなる)それを基に有識者の検討委員会が議論をし、最終的に処理方式は「燃やす」形、運営は公設民営でもDBOと呼ばれる方式(資金調達は公が行う、償還は建設開始時から、チェックはないが後戻りができない)になったそうです。
私は、新清掃工場については、あくまでも責任の所在をはっきりさせるために公設”公営”(これまで同様)で行うべきであり、処理方式も分別をより一層促進することにより建設費も運営費も安く済む(税金の負担が軽くなる)ストーカー炉(燃やす形)を取るべきだと思っています。
しかし、ストーカー炉の最大の問題は、焼却灰の処理です。(溶かす形でも灰は出るが、燃やす形の方がたくさんの灰が出る)現在、志太広域ではこれを他県の最終処分場に運搬して、セメント等に再利用していますが、この運搬費用も大きな問題です。一方で、溶かす方式は、運転するのに多大な燃料代がかかるという最大の弱点があります。建設費も高い。
ふじみ焼却場は、運営業者を選定する際に、建設費と運営費の見積価格を提出させました(公設公営なら必要ないが)その運営費には、年間6億円かかるとのことですが、組合が払う委託料2億5千万と、熱による発電で東京電力への3億5千万の売電収入を見込んでいたとのことでした。ごみ減量が進めばそれだけバイデン収入が減るジレンマがあるのではと質問しましたが、ゴミの量が15%以上下回った時には組合が差額を補填することによって運営業者の参入が可能になったとの事。
灰の処理については、30k離れた日の出町に最終処分場がありそこに運びセメントに再利用している。しかし、再利用してもセメント収入に対して大幅な赤字が出るが、それは近隣26市町が別の広域循環組合を作り費用負担をしているとのことでした。(再利用しなければ灰が貯まるばかりで仕方ない)
現在、志太広域は一日の燃やすゴミの量を230トンの設定にしていますが、もっと市民負担を求めない分別を徹底すれば新清掃工場建設費用運営費用50億円が節約できる、市議選の私の公約です。
ふじみ組合は、三鷹市と調布市。併せて40万人(志太広域は29万人)で燃やすゴミの量は280トン。かなり少ない数値ですが、ゴミを減らす取り組みを同実施しているのかと聞くと「ゴミ袋の有料化、しかも1袋80円の高価な価格で実行した」しかし、これはやるべきではありません。有料化で一時的にゴミは減りますが、また元に戻る。それは5円や10円の有料化でそうなりますが、高価な負担を市民に求めるのは行政の無策と言われても仕方ありません。分別回収の充実を行うべきです。愛知県日進市での実例もあります。
二日目は、浅草の近くの本所の東京都消防庁の防災館。
ここは、先進市というよりも、災害の実体験ができるという施設です。
お馴染みの光景ですが、地震の体験や消化器の実用訓練など(しかし、私自身は初めてでした)の他に、煙に巻かれない行動方法や、写真にある風速30mの暴風雨の体験など、言葉だけでなく、近年本当に多くなった様々な災害を身を持って体験することで、日頃の意識を高めるという事でした。
火事の原因は、放火が第1位。対策は家の前に燃えやすい物を置かないこと。早速、帰宅後に自宅前に置いてある使わない看板や木の杭などを片付けました。
それにしても、志太広域組合の視察は報告書の提出が義務付けられていません。飲食宿泊バス代等、全て税金。これは広域議会と言うものが、市民との間で直接選挙を経ていない議会で縁遠くなっている存在であるからだと思います。