『本市が掲げる“教育日本一”何を以って“教育日本一”とするのか』
問 市長は一期目に続き二期目においても教育を重点戦略に掲げ、数々の事業を積極的に行っている。ただ、教育日本一を現場が中々実感出来ていない。かつて全国で唯一学力テストに参加しなかった犬山市は「自ら学ぶ力を育む事」を教育の基本に据えているがそれに対する本市の認識は。
答 主体的な学びの心を大切に取り組んでいる。
問 学力とは読み書きを中心とした「基礎的な学力」と「自ら学ぶ力」で成ると犬山は考えている。そうした子供を育てるには教師自身も「自ら学ぶ力」が必要で、それは上からの評価ではなく教師自身の自己評価や同僚との相互評価が必要としているが、こうした取組みを前面に押し出すべきでは。
答 確かにその通りだと思う。一人一回授業研究を行う中で、評価をいただくようにしている。
問 教師が多忙な状況の原因と対策は
答 スクールアシスタントや地域コーディネーターの配置など人的支援を進めている
問 教師を増やすことなく小人数学級を進めたために教師不足になっている事も一因ではないか。
答 それによって大変になっている面もあるが、生活支援員の配置などで対応をしている。
問 採用の関係で50代以上の先生が全体の42%を占める状況で、若い教師に教務主任等の責任を負わされて多忙になっている状況についてどう考えるか
答 上の世代が非常に多いが、若手育成もやっていく必要がある。
問 現職の教師は市独自の講師を採用すべきであり、こういう事こそ“教育日本一”と言っていたが
答 支援員などの配置でやってもらっている
問 犬山は学力テストは行政が特定の教科の一部の学力を対象に子どもと学校を評価する“行政調査”であり、学力の向上に結び付くものではないという考えで参加しなかった。本市はどう考えるか。
答 全国調査に参加し、生徒の課題など分析するために調査を実施している
問 実施するのが4月であり結果が返ってるのが半年後。しかも特定の教科だけしか実施しない、担任の先生は入試対策の役にたたないと言っていた
答 テストのために特定教科を重点的にやることはない
問 現場はそうであっても、結果は順位として公表されて競争をあおりたてるものに成っている。学力テストの行きつく先が学校選択制に成り得る。参加しない権利は市にある事を確認したい。
答 そういう危険がある場合は、市は参加しない権利はある。
問 小学生が1年間学校で過ごす時間より学童で過ごす時間の方が長い。子供にとって重要な学童を教育の一環として捉えるべきではないか
答 教室や学校敷地を提供できるように、学校教育委員会とも出来る限りの協力をしている
問 学校によっては協力的でないところもある。教育長自らイニシアチブを取るべきではないか
答 基本的に協力すると言うスタンスに変わりはない
<感想>
今回は教育と言うテーマに初めて取り組んだ質問です。
教師の方に話を聞くなかで、その多忙性が明白になりました。報告や研修と言った授業以外の行事、それに少人数学級を進めながら教諭を増やしていない実態等が浮き彫りになりました。
学力テストに参加しなかった犬山市を一つの例として、藤枝で言う教育日本一は何か?がテーマでしたが、その多忙性と学力テストに関する考え方を聞くのが精いっぱい。改めて教育という分野の広さを実感しました。
生活支援員や学力向上サポーターなど市が教室外で学校をサポートしているのはわかりますが、犬山市の例のように市独自講師を採用して負担軽減と授業充実(更なる少人数学級制度の実現)を図るべきだと思います。それは現場の教師の方の声でもあります。
学力テストは学力を推し量るものではなく、学校や市町村を順位付けして競争を煽るものです。実施時期(4月にやって回答が9月)や特定教科だけなどソフト面での問題もあります。参加するなと言う事は現実的ではありませんが、学校選択制の一助に使われる事がないように念押しをしておく事は出来ました。
学童の待機児問題も、教育の側が積極的に動かなければダメです。福祉に協力をするというスタンスから抜け出す考え方をまず持つべきでしょう。
2012年9月議会 議案質疑
市立病院の薬と電気の備蓄は3日で大丈夫?
問:東日本大震災では、地域の公立病院が大きな災害対策の拠点として役割を果たした。しかし病院そのものが被災し十分な医療が行き届かなかった事が教訓として残る。非常時には薬と電源が最低限必要だがその備蓄量は?
答:薬は3日、非常用電源は72時間である。
問:周辺道路が陥没した際などは3日目以降の搬入が難しくなるのではないか?
答:薬は使用期限があり、多くを備蓄できない面があるが、道路が陥没してもヘリポートがあり薬事協定も結んでいるので心配はない。
問:電源についてはどうか
答:重油を3日分以上備蓄するのには莫大な施設整備費がかかり市単位ではどうしようもない。しかし電源がないと手術も何もできなくなるので非常に心配している段階だ。
<感想>ここにはありませんが、耐震については固い地盤と県基準をクリアしているので大丈夫と言う事ですが、電源については国単位での防災対策を施さなければなりません。これにとどまらず防災委員会などの審議の場で話をしていきます。
常任委員会審議
住宅耐震助成の引き上げと倒壊家屋撤去費助成制度の実現
問:住宅耐震工事を行う耐震診断実施費用を補正計上しているが、実際は診断をしても耐震工事に対する助成額が少ないので工事を行う人が少ない。診断だけにとどまるべきではないと考えるが。
答:耐震工事対象となる住宅は昭和56年以前に建てられた木造住宅で、現場としては耐震工事の必要があっても古い住宅なので建て替えをするケースが多いので、建て替え工事に対する新たな助成制度を検討していきたい
問:市内に住む方から、もう住んでいない古い建物を撤去したいが、撤去費用がないのと更地にすると固定資産税が増税になるというので撤去できずにいると言う話を聞いた。放置すれば建物が倒壊し、市民が危険にさらされることにつながりかねない。こうした撤去に対する助成制度も同時に検討すべきではないか。
答:その分野についても検討していきたい。
決算委員会審議
現在、まとめ中です。
今議会では、提案された26議案のうち2議案(一般会計決算、後期高齢者会計決算)に反対、他24議案に賛成しました。討論は私が一般会計、大石議員が後期高齢者会計を行いました。
一般会計決算認定案に対する反対討論
ただいま議題となっております認第1号、平成23年度藤枝市一般会見決算認定に反対の立場から討論いたします。
今、国民の生活は負担増と収入源の繰り返しで依然厳しく、新たな増税法案の成立で希望も持てなくなっているのが現状だと思います。一方で、市の財政状況も以前の最悪の時期よりは市債残高は着実に減少している実態はありますが、問題は市民生活がそれによってよくなっているのか、いくつか重要な問題点を指摘せざるを得ません。
まず、財政が好転しつつあるとはいえ市債残高965億は依然として巨大赤字であり、その解決は急務です。市民が収めている市民税の3分の1がその利息で消えるのです。こうした現実をもっと市民に知らせるべきです。今決算議会終了後、「広報ふじえだ」で財政状況を知らせるわけですが、従来より「財務四表」に基づいた評価が大きく掲示されております。この指標によりますと、よほどの財政再建団体でない限り異常値は出ないわけですが、それに基づいた評価を市民に大きく示すやり方は、誤っている基準ではありませんが、赤字であるにもかかわらず、全く心配ないんだよと言う誇大な印象を与えかねません。決算特別委員会で改善を検討するとしましたが、市債残高や基金の推移など、市民が関心を持つ項目を中心に経年的数値の推移で知らせるべきです。
市税収入と切っても切れない現場であります収納体制については、本委員会でも予算議会でも指摘した事がなんら改善されておりません。納税は市民の義務であり収納は市の大事な仕事ではありますが、納税の意思がある債務者に対して面会して状況調査することなく差押えや滞納整理機構へ送るやり方は納税者の権利を踏みにじるものであります。今議会中でも、私は決算委員会の討論が行われた次の日でしたが国保税300万を滞納し、先月口座に振り込まれた8万余の年金が差し押さえられた市民の方と納税相談に行きました。市は、収入状況を見つつ全額を差押えしなかったと言っていましたが、実際は前借している給料の支払いを残りの口座からしなければならず、それを支払ってしまうと4人家族の生活費が全くなくなるという切迫した事態でした。口座の金額の多寡だけの判断ではこうした事実もわかりません。差押えや滞納整理機構に送る前に市民と丁寧に会うべきです。それが出来ない職員数の不足の現状、納税課職員一人当たり1400件もの滞納案件を抱えているようではとても出来るわけはありません。しかし体制が整っていないのであれば、そうした体制を取るように考えるべきであり、人が足りないと主張すべきであり、整っていないからと言ってこうした徴税方法を行うべきではありません。
子育て部門で重要な保育園はここ数年民営化が進みました。それでも待機児童の解消には至っていません。増築を行ってきましたが、結局は保育所の絶対数が足りないからであり、民営化で解決するものではなかったのです。大きな位置付けとしている認定子供園は、保育士と幼稚園教諭の賃金格差や市町村の責務が調整になるなど、大きな問題があるのは決算委員会で指摘した通りです。今また国が「子供子育て新システム」の策定過程の中で、更に制度を改悪しようとしており幼稚園保育園の各団体から反対の声があがっている状況であるにもかかわらず、国のやり方に無批判な市の姿勢や現場に説明しようとしない姿勢も問題であると指摘せざるを得ません。
市民と直に関わりを持つ職員の専門性についても、一定の人事政策はあるにしても現状はどうか。図書館長や地域経済の担当など、その道に精通するのに2~3年で人事が交代するようでは専門性は育ちません。
款別節別に決算を見ますと、教育費の賃金が全体の約7億のうち60%の4億余を占めています。非正規で雇用されている教育費関連の職員がいかに多いかを示しています。なかでも教育指導費と図書館費が多い、教育日本一を掲げながら専門性が必要とされる学校関係指導員や図書館司書が非正規の臨時職員であることは、問題ではありませんか。根本的に改め、現在の従事職員のうち、希望者は正規職員として採用していくべきです。
中小業者の仕事起こしにつながり、全国でも700以上の自治体が導入している住宅リフォーム制度についても、経営に直結する消費税増税が23年当時も議論されていたのにもかかわらず増税が決定した現在にいたっても検討せず、財政調整基金を積み増しする一方で、身近な水路の改修要望が依然として数多くあるままというようでは、市民にとって好ましい事とは思えません。
生活保護制度でも今委員会で扶養義務の説明については改善を検討するとしたものの、国と自治体の責務であるという姿勢がいまだに見えません。札幌市白石区では3回も福祉事務所に行っていた40代の姉妹が餓死、記録では申請の意思なしとされ、生活保護を支給しなかったのです。餓死するほどの人が生活保護を申請する意思がないなど考えられません。意思確認前に行っている説明の中で、諦めてしまった事が容易に想像できます。本市でも説明を行う前に、法の原点にある通りまず申請から開始すべきです。以上、主な理由を述べまして反対の討論といたします。