2012年志広組11月議会 一般質問
標題 新クリーンセンターの環境アセスメントについて
新清掃工場の建設は、両市にとって喫緊の課題であるが、事業者は事業が及ぼす環境への影響について科学的に予測し、それに基づいた公衆との幅広い情報交流による説明責任を果たさなければならない。
環境影響評価(以下、環境アセス)は、環境配慮の在り方に客観性や信頼を与えるための取組みと言えるが、残念ながらこの点において日本は極めて後進国であり、原発立地を推進したい電力業界の強い抵抗で制度化が出来なかった経緯がある。個々の自治体の努力等によって1997年にようやく法整備を行ったが、これは先進諸国の中で最も遅いものであった。
一方で、環境アセスは結果がすでに決まっていて、それに合せるだけの“アセスメントならぬアワスメント“と批判されることもある。住民運動では環境アセスの実施が事業にお墨付きを与えるものだとして実施そのものに反対する事も多くある。
これは日本の環境アセスの主流が、事業実施直前の段階でやる「事業アセスメント」であるからで、もうその時は事業内容がほぼ決まっているのでアセスをやっても環境影響に対する措置が極めて限定されるモノに成るからである。
新清掃工場建設にあたって、私はこの「事業アセス」ではなく、立地や基本政策といった初歩的な計画段階から行う「戦略的アセス」を実施すべきだと考える。(2011年4月に環境影響評価法が改正され、戦略アセスの要素が不十分ではあるが取り入れられた)そうした中、本組合では過去にどのような対応が取られてきたか、今後どのような対応を取っていくべきか考えを伺うものである。
問:環境アセス制度について、どういう基本的認識を持っているか。
答:この制度は、地元住民の皆さんと十分な協議を重ね、クリーンセンターを最良のものにする必要不可欠なものである。
問:クリーンセンター建設について当然環境アセスをやるべきだと考えるが、その認識はもっているか。また、やるとすれば事業計画を具体化する前に行う戦略的アセスを行うべきだと考えるが認識を伺う。
答:県条例で環境アセスをすることになっており戦略アセスの法制度は現在ではないが、その趣旨を酌んで進めていく
問:志広組として工夫したアセスを行うべきであると考える。
答:地元の皆さんと十分な協議を重ね、情報公開を行い理解をお願いしてきた。条例にとらわれることなく進めていきたい
問:事業の具体化の前に設置場所についての検討もなされる戦略的アセスを行っていれば、設置場所の問題は起こらなかったはずだ。福島第一原発は、事故後「なぜあんな津波が押し寄せる場所に原発があるのだ。なぜ非常用電源がすぐやられてしまう場所にあるのだ」と東電と国が批判されているが、この場所に原発があること自体正当化される戦略的アセスが行われていれば批判は起きなかったはずだ。仮宿についても「渋滞が起きる」「運搬費がかかる」等位置の問題が今起きているが、これは戦略アセスが行われてこなかったことに他ならないのではないか。
答:そういう事を踏まえて、今の職で地元の皆さんに理解していただくことを最大限勧めていくし、これまでもそのようにしてきたつもりである。