大企業の内部留保”ほんの一部”活用すれば月1万賃上げ可能
日本国家公務員労働組合(国交労連)は主要な大企業が抱える内部留保267兆円を活用すれば、大幅な雇用増・月1万円の賃上げが可能とする試算を発表しました。
雇用増についてみると、内部留保のほんの1%を活用するだけで、主要企業132社のうち81社でそれぞれ1000人を超える雇用(年収300万)が可能です。大規模なリストラを実施しているパナソニックやソニーもほんの一部を取り崩すだけでリストラを回避できます。
賃上げについてはどうでしょうか。非正規雇用者数を明らかにしている92社のうち、78社で内部留保の3%未満を取り崩すと正規非正規合わせて月1万の賃上げが可能になるとしています。
トヨタの場合、正規雇用者数は32万5000人、非正規雇用者は7万5千人。全員に月1万の賃上げを実施するには、なんと0・43%の内部留保を取り崩すだけで出来てしまうほどの資金の潤沢さです。
経団連会長は、今年の春闘で「賃上げも聖域とせず」とし、定期昇給すら見送る意向を示していますが、聖域としているのはこうした巨額の内部留保ではないのでしょうか。
アベノミクスとか3本の矢とか言いますけれど、日本の一番のデフレ不況の原因は労働者に対する賃下げと正規雇用を非正規雇用に置き換える雇用破壊のもとでの消費の低下です。いくら公共工事を増やしたって、インフレで物価をあげたって経済がよくなるわけはありません。
内部留保を「ほんの一部」でもいいから、労働者の雇用増・賃上げ・下請け単価の切り上げなど生きたお金として社会に還流させれば、消費も増え経済も好転していきます。それは企業の社会的責任でもあるのではないのでしょうか。 2013/1/21