やってる感演出のトリック
事業規模108兆円のからくり
国が新たに支出するのは16兆余
7日に政府が発表したコロナの経済対策、安倍総理は「事業規模108兆円は国内総生産の2割に当たる、世界一の規模だ」と誇ります。その中身は・・・
2020年度補正予算で実際国が支出するのは16兆7千億円です。これはワクチン開発や家庭への給付金などに使われるもので、財源は国債です。また使途が決まっている特別会計の支出計画1兆9千億円を変更して雇用調整助成金に組み替えます。また昨年12月に経済対策として予算化しておきながら未実施の6兆4千億円が加わると25兆円になりますが、国費として計算されるのはこの部分です。
他の部分を見ますと、まず財政投融資(12兆5千億)は政府系金融機関を通じて企業に融資するためのもの、地方自治体の支出(2兆円)を合計すると「国と地方の財政支出」(39兆5千億)となり(安倍総理はこの金額を真水と説明)ますが、25兆以外はあくまでも融資であり給付ではありません。
なぜ3倍強の108兆になるのか。これは企業などが「真水」を活用する(補助を受けて機器などを購入するなど)事により「生み出されるであろう」経済効果として42兆7千億、さらに企業の納税や社会保険料の支払い猶予(やがては払わなければいけない立替分)26兆円までかき集めての金額を言っているからです。
国民に108兆を支給するかのような印象ばかり先行していますが、そのほとんどは融資か先行き不透明な不確かな数字です。 東京新聞4月10日記事を基に作成
スピード感と分断を持ち込まない支給を
コロナによって収入が激減した人に対する給付金制度、日本共産党は所得に差を設けず全ての国民一人当たり(世帯ではなく)10万円の支給の実現を求めています。これ以上拡大させないためにはスピードある支給をしなければなりません。財源は後から高額所得者に対する累進課税強化など行えば可能です。