働き方採決強行
いのち奪う法律、数の力で採決
これがあなたの命を奪った日本の姿だよ
(電通過労死自殺高橋まつりさん母)
6月29日(金)、自公維によって働き方改革法が強行採決され成立しました。来春から実施されます。
全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表は「高プロ導入で間違いなく過労死は増える」と改めて批判、その上で「法成立で諦めず、遺族として警鐘を鳴らし犠牲者が出ないような健全な働き方の出来る社会にしていく活動を続けたい」と意気込みを語りました。
参議院で日本共産党は討論でこうした遺族の声を無視する安倍政権を厳しく批判しました。
最たるものは高プロ(残業代ゼロ制度)を初めて導入する事です。労働時間制を全面的に適用除外にし、週休2日にあたる年間104日の休みさえ与えれば24時間労働を48日間連続させる事が可能となります。安倍首相は「働き方を自ら選択できる」と繰り返しましたが、労働者が仕事量や労働時間を自らの裁量で決められる規定はありません。ニーズがあるとの主張も、ヒアリングは12人しか行っておらずアリバイ作りのためのずさんな調査だったことが判明しています。
法成立を受け、早くも次の規制緩和を目指す動きが出ています。経団連の中西宏明会長は法成立を歓迎するコメントを出し「今回外れた裁量労働制拡大は早期の法案再提出を期待する」と早速、注文をつけました。政府も実態調査の準備に、今秋にも取りかかることも視野に入れています。
法が成立した29日、過労死で身内を失った遺族は「残念で悔しい」「怒りを感じる」と無念の思いを口にした。
遺族らは黒い服を着て遺影を手に参議院本会議を傍聴。討論や採決を厳しい表情で見つめた。広告大手電通の新入社員で過労自殺した高橋まつりさんの母幸美さんも国会審議を初めて傍聴し、成立するとハンカチで悔し涙を拭った。
遺族らは成立後記者会見し、幸美さんは「法は過労死防止と矛盾する内容。遺族として絶対納得できない」と語気を強めた。成立時には心の中でまつりさんに「これがあなたを追い詰めた日本の姿だよ。多数決の力で法が通ってしまいとても残念」と語りかけたという。※写真、記事ともジョルダンニュースより引用