“日本経済を立て直すために”
必要な増税は弱い者いじめなく
累進課税を改めれば約15兆円の税収増
日本財政が立ち行かなくなるので消費税増税を必要とする議論が続いています。
しかし、消費税増税ではなく所得課税の総合累進化を税制の根幹とする事だけで社会保障財源に必要な15兆円もの財源を生み出す事が可能です。
総合累進化とは課税対象(給与収入など)が大きくなるのに応じて、だんだんと高い税率で課税する制度、高額所得者や高額所得法人から応分の負担をしてもらい、これを社会保障財源に使い景気を安定させ社会基盤を強化し、低所得者も高額所得者も安定した生活を過ごせるようにする…租税の中心的な考え方に基づくものです。
日本の所得税もこの考え方に基づいて税率が定められていましたが、2015年以降高額所得者ほど税負担が軽い税率(75%→45%)に変更されています。これを改めればそれだけで右図の金額の財源を生み出す事が可能となります。
日本共産党は社会保障の充実には増税も必要だと考えています。しかし、消費税増税ではなく高額所得者への増税(累進性の是正)によって賄うべきという立場で、「増税は全て反対」という立場ではありません。
鳴り物入りの国際観光旅客税も弱い者いじめ
19年1月7日から実施された同税は、旅客運送事業者(飛行機会社など)が日本を出発する旅行者から航空券代に上乗せして、1回の出国につき1000円を徴収する間接税です。例えばニューヨーク往復のファーストクラス運賃は約250万、格安チケットは約10万ですが、どちらも1000円の負担。250万の利用者は運賃の0.04%、格安チケット利用者は1%の負担で低価格運賃利用者ほど高い負担割合になります。観光の基礎固めの財源確保などと言いますが、こうした時も高額利用者ほど高い負担(応能負担)にすべきです。