“運用損失5兆3千億円”~安倍内閣の“消した”年金
見せかけの経済成長を作りだし、失敗。選挙が終わってからの公表
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、15年度の運用が5兆3098億円の赤字に転落したと発表しました。
国民が納めた年金保険料積立金は、約140兆円。老後の年金保障が目的で安定運用が大原則です。そのため、安全な国債への運用比率が60%とされており、変動する株式の運用比率は24%へと抑え込まれていました。
ところが、安倍首相は14年1月に「GPIFは成長への投資に貢献する」として、株式運用の拡大を宣言。国債への投資比率を35%へと引き下げる一方で、リスクある株式の運用比率を50%へと倍増させました。年金積立資金を流し込み、投機マネーを呼び込んで株高を作り出し、みせかけの「アベノミクスの成長」を演出しようとしました。
しかし、このような「株価つりあげ」が続くわけがなく、世界的株安となった15年7月~9月期に過去最大となる7兆8899円の損失を計上し、年間で5兆3千億の損となりました。16年度においても数兆円程度の損が出ていると見られます。しかも運用結果は例年7月上旬に公表されますが、今年は3週間遅れで公表、選挙が終わってからと言う姑息なやり方です
年金支給額の減~
「ありうる」安倍首相
国会で、この問題に対し安倍首相は「給付に耐える状況にない場合は、給付で調整するしかない」(2月衆院予算委員会)と年金減額も有り得るとしています。
保険料は上がる一方で、総理の”ばくち打ち”の損の穴埋めに支給額を減らされるようでは、国民は踏んだり蹴ったりです。
株式運用の拡大はやめて、過大な積立金を計画的に取り崩して、安すぎる年金支給額の給付の増大に充てていくべきです。