安倍流、働き方改革
盆暮れ正月、祭日有休もなし
月100時間の上限残業時間=過労死ライン突破
連合が容認を撤回した残業代ゼロ法案 (高度プロフェッショナル制度)。安倍政権は秋の臨時国会で成立を目指すとしていますが、日本の労働法制を根底から覆すものです。
現在、日本には残業時間の法規制はありませんが、法律で月100時間未満の上限を定める事を前進としています。
しかし、現在過労死ラインとされているのは月80時間ですから、それを超える残業時間を法律で認めようというのです。
それでも批判をかわそうと政府は下記の点を主張しますが、そこにはゴマカシがあります。
① 年収1075万以上の高収入者に限定?
これは法案のどこにも書かれていません。将来、全労働者が対象となる恐れが大きいです。塩崎厚労大臣は「小さく生んで大きく育てる」と発言、経団連は「年収400万以上を対象とすべき」と提言しています。
② 裁量労働制で自由な働き方になる?
企業の運営に大きな影響を与える部門(企画、立案、調査分析など)労働者に裁量がある業務に対し何時間働こうが労使であらかじめ決めた時間(みなし労働時間)だけ働いたとみなす制度で、本人の同意が必要。会社の指揮下にある一般営業職にまで拡大されれば永遠の残業代ゼロになり、自由どころではありません。現在、6か月毎労基署に報告する義務が使用者にありますが、法案は制度導入後最初の6か月のみと改悪されています
③時間でなく成果で評価
労働時間規制がない中で、成果で判断される事が労働者のためになるでしょうか。現在でも成果主義賃金を導入した職場では長時間労働が蔓延、成果を出すために体力の限界を超えて働かざる得ないことになります。
④年間104日以上の休日
法と同時に導入する「健康確保措置」の内容ですが、104日は週2日です。週休2日さえあれば、盆暮れ正月も働き、有給休暇もありません。