“市民に何も知らさずに”~市立病院給食が民営化
9月藤枝市議会に提案されようとしています。
市民の命の砦である藤枝市立総合病院。入院患者に支給される給食調理が、来年度より現在の市の管轄から民間業者に委託するという議案が9月藤枝市議会に提案されようとしています。
病院食は「医食同源」とも言われ、処方箋と共に治療方針に欠かせない大事な部門ですが、営利を追求する民間業者に委託する事が許されるでしょうか?
黒字が3千万も減る!~財政再建にもつながらない
これまで「官から民へ」「小さな政府」の掛け声で、行政のあらゆる部門で民営化や民間委託が進みました。
その最大の理由が、コスト削減でした。公務員の給料よりも安い民間賃金でという名の下での「財政再建」路線です。
ところが、市立病院の給食部門は、患者から食事代の収入に対し、人件費を非正規雇用を大半にする、材料費を抑えるなどの構造によって、年間4000万もの黒字決算を計上しています。これを民間に委託をすれば黒字額は1500万にまで減る事は病院側も試算で明らかにしています。そうまでして何故民間委託するのでしょうか?
おいしい給食を提供できるようになる理由は全くない
病院食と言うと、昔は「夕方の4時に出されて、しかも不味い」という悪いイメージがありますが、現在は改善されてきており、そもそも味覚よりも病状改善に主眼がおかれており、国家資格者の管理栄養士が献立を決めます。
5年間の実務や試験などを経た管理栄養士による献立が民間委託になると、管理栄養士は市の職員、調理師は委託会社の職員と別の組織になりますので、意思の疎通の障害も生まれます。
委託会社は市と3年の契約になりますから、職員は3年以上の継続勤務になるかどうかわかりません。会社も長期雇用を行えず、モチベーションの低下につながり、病院食の質の向上はとても望めるものではありません。