消費税8%増税の口実「年金財源の安定化」どこに
来年度年金支給額0・5%削減
振込手数料にもならない支給額(67円)増
厚生労働省が18日来年度年金支給額を発表しました。物価や賃金の上昇に応じて支給額は変わりますが、今年は物価変動率と名目賃金変動率がともにプラスの為増額になるはずですが、国民年金のモデル世帯の場合の増額はわずか67円、率にして0・1%です。
しかし、過去3年間の賃金変動率に併せれば0・6%、月額335円の増額になるはずです。
なぜ67円になるのか?支給額の伸びを物価や賃金の上昇より低く抑える「マクロ経済スライド」制度を安倍政権が4年ぶりに発動したためです。これにより今回0・2%減額されました。
加えて、安倍政権が導入した「キャリーオーバー制度」(「マクロ経済スライド制度」が発動できなかった場合、翌年度以降に繰り越して発動できる制度)を初めて実施しました。18年度の未実施分0・3%を併せて実施したため合計0・5%の削減となり、わずか0・1%の増に抑制されました。
消費税8%増税時、政府が国民に説明したのは社会保障の充実、とりわけ年金の安定化でした(基礎年金の財源を確保し、年金財政を安定化※右政府説明資料より)増税だけはしっかりと実施し、実際の年金支給額を削減しています。
安倍政権がこれまでやってきたことは安定化どころか高齢者一人当たりの年金給付費を年平均14万円も削減(12~16年度)。今後はさらに10%増税を実施し、後期高齢者(75歳以上)の医療費窓口負担の1割から2割への負担増です。