“株価つりあげを目的に過剰投資”
年金運用損失5兆円超 アベノミクス演出の失敗。ツケは国民に
国民が拠出する年金積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、15年度、約5兆1千億の損失を出す見通しとなったことが専門家の試算で明らかになりました。
安倍政権は、GPIFの運用基準を2014年以降、これまで株価が安定している国債などの国内債券に対する投資比率を60%から35%に下げる一方で、リスクの高い外国株を含む株式投資比率を24%から50%へと倍増、世界的な株価下落の影響をうけ大損害を計上しました。
しかも、日銀がマイナス金利を導入したことにより国債に購入が殺到、GPIFが減らした国内債券は逆に価格があがる無策ぶりも露呈しました。
安倍政権がなぜ運用基準を変えたのか?それはアベノミクスの指標である株価が思うように上がらず、国民に”アベノミクスは失敗だった”という認識が広がってきたので危険な投資に出たのです。
公表は参議院選後にする。
リスクの高い資産を主軸に年金を運用した安倍政権の失敗のツケは一体どうなるのか?
投資拡大が議論になった時の国会で、安倍首相は将来の年金支給額への影響を否定しませんでした。つまり、人の金で勝手に博打をしておいて、その損失を金を出した人に押し付けようとする無責任ぶりです。
「年金の安定化」と国民に消費税8%の増税を押し付けたのが、一昨年の4月。その時生み出された財源は約4兆円。しかし“安定”どころか博打で吹っ飛んでしまいました。
どっちが「選挙のためなら何でもする」か?
しかも、このGPIFの運用成績を公表するのは毎年7月前半ですが、今年に限っては7月29日に公表すると言います。
理由はただ一つ、7月10日に参議院選があり、その直前に公表されるとマズいから。立憲主義と民主主義という日本の政治の土台を取り戻す闘いを展開している野党共闘に対し、安倍首相は「選挙のためなら何でもするような勢力に政治を任すわけにはいかない」と言いますが、そのセリフはそっくり自分に跳ね返ってくるようです。