改憲の必要性の根拠アメリカおしつけってホント?
首相は新年のあいさつで、布告70年目の憲法を“手なおす”必要性に言及し改憲への執念を改めて示しました。
その一つに、戦後アメリカに押しつけられた現在の憲法を日本にあったものに変えるのは当たり前だという発想があります。この説はネトウヨが使う常套句で相手にする事もないのですが、政権担当者まで口にする限り放ってはおけません。しっかりと見ておく必要があります。
たった1週間で作った米国に都合のいい憲法?
日本はポツダム宣言を受諾し無条件克服したのは周知の事実ですが、そこには「日本は国民の間における民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障壁を除去し、言論、宗教、思想の自由、並びに基本的人権の尊重を確立させなければならない」とあります。これは、それまでの日本の非民主的な国家体制がアジアへの侵略を招いた結果、日本に要求された当然の世界観です。
まず、ポ宣言を受託した時点で当時の大日本帝国憲法を改正し、新憲法を制定するのは“既定路線”であり、かつ民主的なものでなければならなかったという、歴史の事実を把握する事が必要です。
しかし、当時の日本には天皇制を廃止して国民主権にするという発想はありませんでした。その為GHQが案を起草しました。これにはアメリカの弁護士、法学博士など法律の専門家が役割を担っています。この案がつくられたのが1週間だという事だけを「かいつまんで」改憲派は1週間で出来たと言っているのです。
憲法案は、日本の議会で議決され成立している
しかし、日本に案を作る“能力”がないからと言ってGHQは一方的に押し付ける事をしていません。案を日本側に手渡し日本案として練り直し、さらに枢密院が了承し、帝国議会での審議を経て可決されています。当時の二大政党である自由党と進歩党も全面賛成しています。施行に至るまで正式な改正手続きが取られている事を全く無視しています。
こうした歴史的事実を全く無視し超法規的に作られたように現憲法を印象付けているのはネトウヨだけでなく安倍政権も同様です。