シリーズ消費税その4
大金持の所得税減税をやめれば11兆円の財源が。
税の原則と言えば、所得に応じた負担をする事、つまり多く儲けた人はそれに応じた負担をし、少ない所得の人からは多く取らない。集めた税金は少ない所得の人に手厚く再分配する。というのが大原則です。
しかし、日本の税制はそうなっていません。代表的な所得税でさえ”大金持ち優遇”です。右の表は2007年の所得税負担率です。所得1億円の人を境にして、所得が増えれば増えるほど負担率が下がっているのです。つまり、お金持ちになればなるほど減税されているという事です。
世界では、富裕層への課税強化が大きな流れになっている
アメリカ・イギリス・イタリアなどでも、こうした富裕層への減税措置が講じられて格差が拡大しました。しかし、こうした国々からも”我々にこそ増税を”をいう富裕層からの声があがっています。
アメリカの投資家で有名なウオーレン・バフェット氏は「私たち億万長者にやさしい議会に甘やかされてきた」と自らへの増税を求める、イタリアの有名なフェラーリ社長、化粧品会社ロレアルの16人の娘たち等々、こうした声が沸き起こっています。
しかし、日本ではこうした声が起きるどころか、さらに富裕層や大企業に対する減税を行い、庶民には消費税増税を押し付けようとしています。
私たちは、大企業や富裕層の財産全てを投げ出せと言っているのではありません。社会的責任も負担能力もあるこうした層になぜ幾重もの減税をするのか、それを改めるべきだという事を言っているのです。
所得税の累進課税制度を1998年水準の65%にまで戻す、それだけで11兆円の財源が出来ます。消費税10%増税で産まれる財源は14兆円です。どっちを取るかは、その国の政治の姿勢です。
2012/6/13