労働時間データ改ざん、
過労死促進法は撤回、廃案を
論戦で危険浮き彫りに
安倍内閣が今国会で成立を目指す「働き方改革一括法案」、労働時間が短縮されるという政府の説明は全く信用できないものであることがわかりました。
政府は厚労省2013年度の労働時間等総合実態調査(厚生労働省実施)を審議冒頭から示し議論の出発点として提出、幾度にもわたりこの調査を基にした働き方改革の議論が進められてきました。安倍総理も「裁量労働制の方が一般労働制より労働時間が短い」と説明してきましたが、実際は調査した11575事業所のうちの2割強に当たる2492事業所のデータがねつ造だとわかり厚労省もこのデータを削除しました。
加えて野村不動産で違法に裁量労働制を適用された労働者が過労自殺した事実を隠ぺいした疑いが持たれています。新宿労基署は昨年10月、過労自殺を労災認定する方針でしたが、厚労省は12月に野村不動産への「特別指導」を公表。特別指導の公表後に労災認定を発表した事が明らかになりました。この説明も全くなされていません。現在の労働実態を反映しない虚偽データや隠ぺいに基づいての審議は前提から崩れており廃案、撤回こそ求められています。
高度プロフェッショナル制度で残業代ゼロ
政府は企業に健康管理時間を把握させれば、残業代を払わなくてもよいとされるものですが、実際の時間の計算は在社時間と事業場外の労働時間を併せたもので、上限時間の義務付けはありません。
過労死ラインを超える残業時間上限を合法化
残業時間に上限を設けるとしていますが、一か月100時間の上限で、これは現在の過労死ライン(80時間)を超えるもの。月をまたいで残業が集中すれば30日間で150時間残業も可能になりかねません。加藤厚労大臣も「ありえる」と答えています(日本共産党高橋千鶴子議員の質問に対し)
法案に一言もない同一労働同一賃金
安倍総理は繰り返して言いますが、法案には一言もありません。「差別的取り扱い禁止」の対象となるのはパート労働者のたった1・5%と答えています(高橋質問に対し厚労大臣)格差是正は名ばかりです。