焼津と島田と藤枝では?
では、実際に近隣自治体と比べてみます。しかし、比べると言っても、市にもそれぞれの事情もあり一概に「あっちがいいからこっちも」と言うべきものではありませんが、藤枝がおかれている状況を比較するのは無意味だと思いません。
隣の焼津市は人口もほぼ藤枝と同じです(14万5千人規模)島田市は10万人強です。
比較に用いるデータベースもどれにするのかも一概に基準はありませんが、どの市でも毎年必ず決算会計を行っています。みなさんの税金がどのように使われたかをまとめるものです。
決算の中でも、どういった分野でお金が使われたか?その分野の分類方法(人件費や扶助費といった項目で分類する)は全国共通で比較しやすいのでこれで比べてみます。数値は総務省のホームページの「決算カード」から誰でも見る事が出来ます。なお、この決算カードはどの自治体も同一のフォームで作成されているので、見方は一緒です。
上記の表は平成21年度の決算カードから作成したものです。決算カードの目的別歳出額自体は総額が表示されており各市予算規模が異なりますから比較しやすいように総額を人口で割った額にしてみました。項目を見れば大体どのような予算なのか想像できるでしょうが若干解説します。
①議会費…議員の人件費・活動経費など
②総務費…人件費、自治会等関連経費(街路灯・集会所経費など)防災対策費・情報管理経費・徴税費用など
③民生費…社会福祉に関する経費(生活保護・障害者支援・老人福祉費・児童福祉費など)
④衛生費…予防接種費・がん検診費用・環境衛生に関する費用など の他、ゴミ処理や斎場業務を行っている志太広域組合への負担金や市立総合病院などへの負担金等
⑤労働費…藤枝は勤労者住宅建設資金貸付費用が大半
⑥農林水産業費…農業・林業の振興費用
⑦商工費…商店街支援事業・観光協会への補助など
⑧土木費…道路橋梁費・河川費・市営住宅費・自主運行バス等の都市計画費など
⑨消防費…読んで字のごとくです
⑩教育費…小中学校の費用・就学援助や公民館、博物館、図書館に関する費用
⑪災害復旧費…単年度で発生する災害の復旧に対する費用
⑫公債費…借金の返済費用
項目の中で、どの市も一番高い割合は民生費です。藤枝市は他市に比べて低い割合ですが、平成22年度には市民一人当たり換算で7万円以上の民生費決算となっています。住民福祉の向上のために予算を増やしたものと思い評価すべきものと考えます。
土木費も大きな比重を占めています。工事だけでなく自主運行バスや市営住宅なども含まれているので大きな金額となります。この中で無駄な事業がないかどうかを見極める事が大事だと思います。
3市とも衛生費の割合が比較的高いですが、これはどの市も公立病院をもっていて病院に対する負担金がここに含まれているのが金額が大きくなる主因です。
議会費はたった1%(小数点にすると0・7%)です。無駄な議員は税金の無駄だから数を減らせとよく言われます。市民の皆さまから姿が見えない議員はそう言われても仕方ない事と思いますが、数値だけを見る限り、議員数を減らしたところで市の財政はよくなりません。
市の財政を分析できる能力をもって、市民の立場で当局にモノを言える議員こそ必要だと思います。それはそっくり自分に跳ね返ってくる言葉だと肝に銘じています。
それにしても公債費(借金の返済)が高いですね。ここを減らすことが財政のキーのような気がします。
近隣市の比較の方法はこれだけではありませんが、あくまでも一つの目安としてとらえ、次回からはわが町藤枝市の財政に絞ってみていきたいと思います。 2012・4・9