健康福祉委員会:千葉県習志野市・埼玉県川越市 2014年11月5日(水)~6日(木)
健康福祉委員会の行政視察、初日は千葉県習志野市、発達支援事業の「習志野方式」について学びに行きました。子供が成長する過程で、様々な悩みや心配は親にとって尽きるものではありません。通常の学校教育のみで対応できる多種多様な問題があるなかで、発達支援の取り組みは住民にとって一層高める必要があると思います。
習志野市では、特別養護老人ホームなどの介護施設や医療施設、障害施設など、複合施設が一体となった「福祉村」のような場所に発達相談センター(ひまわり)が設置されていました。福祉に関わるあらゆる施設が一体になっているのは、連携がとりやすいし利用者にとっても便利であろうと思います。
一番感心したのは発達相談センターの専門職職員の充実です。言語聴覚士、心理判定員、作業療法士、保育士、保健師、ケースワーカーなどあらゆる福祉に携わる職員24名がすべて市の直営採用である(正規18名、臨時職でもフルタイム勤務、また基本的に異動もない)多彩な専門職による相談支援、指導が充実しています。地方公務員を減らせ給料削減しろの国も後押しする削減の嵐のなかでよくできていると思います。
小学校に就学後児童に対しては、学校教育法の壁があるので「相談」は可能でも「指導」は無理とのことであったが、「個別支援計画」をつくる中で対応は出来ているとのことでした。本市の取り組み(学校に専門職員を配置することに重点を置いている)の形よりも、実際教師の軽減につながるのかどうか。参考にすべきではないでしょうか。
「習志野方式」と呼ばれるものが、障害者施策を複合的かつ総合的に実施している取り組みのことであったが、国庫補助事業の対象になるのであれば、推奨モデル都市になれるように挑戦していくことも可能であると思います。
二日目は埼玉県川越市です。人口35万人の大都市です。テーマは認知症対策、誰もがかかる可能性がある病気であり、周囲の人が認知症になった人の本当の心を理解することも困難な中で、本人や家族の本当の思いを知り、適切な施策に活かすことはわが身に置き換えて考えれば、とても重要なことです。
まず、簡単なことですがパンフレット(みんなで支えよう大切な人)の発行。市内で認知症対応可能な医療機関一覧の掲載や、「認知症」と「物忘れ」の違いの見分け方、認知症の方の接し方、相談窓口など、認知症に特化した啓発パンフの発行は、やはりあるとないとでは市民の理解や対応が違ってきます。
また、認知症サポーター(認知症について正しい知識を持ち、本人や家族を応援する人)を市が主催して講座を開き(包括も)全体で7000名も育成していました。場所だけでなく(藤枝市でのはつらつシニアの教室等)担い手も増やす取り組みを進めていくべきだと。
川越で一番感心したのは、認知症本人が地域住民と和やかに過ごすことができる「オレンジカフェ」の取り組みが非常に積極的であった事でした。住み慣れた地域で安心して在宅生活が継続できるように、本人だけでなく介護者や民生委員などの参加の他、大多数が関係者とは言えない地域住民の方であるというのは驚きだった(例、よしの地区では9回の実施で認知症の方の参加は9名、介護者3名、民生委員8名、介護関係事業者8名、その他ボランティアの他に、地域住民がなんと127名参加している。延べ人数)どうすれば集められるのか、地域の有力者に会の周知と説明を行い口づてで広がっているということでありました。「俺は認知症なんかじゃない」という人に対しても「お茶を飲みに行かないか」(参加費は100円、行政の補助は1開催につき食事代以外に7000円補助)程度に接してきてもらう声かけだということでした。(地域のつながりがあるからこそできることであるが、藤枝も決して不可能なことではない)
また、会の雰囲気も昔話や本人の得意とするものを重点的に行うなど(懐かしい火鉢や昔の本などを置いておくなど)工夫されていました。分かり合える場と出会える場として非常に有効であると感じる。