2016年10月11日(火)~12日(水) 石川県白山市議会
親善都市の白山市議会への視察。今回は議会改革をテーマに、22名中11名が参加しました。(このメンバー構成を巡る問題については、「日曜活動報告」2016年10月12日項をご覧ください。ここでは視察内容について報告します)
初日は、議会改革。災害対応マニュアル、議会報告会など多彩なテーマでしたが、特に藤枝でも課題となっている予算常任委員会について。
藤枝市議会は予算決算の委員会サイクル(22名中11名が予算決算どちらかの委員となり、9月の決算委員会で来年度への予算提言を行い、年度末の予算委員会でその状況をチェックする、当該年度の進捗は常任委員会で審査をする)が高い評価を得ており、全国の議会から視察が絶えません。
一方で、予算議案に対し全員参加できない(本会議での議案質疑があるのでこれを活用しないでそれを主張するのは整合性がないが)という課題もあるのも事実。白山市は全議員参加の常任委員会として予算委員会(決算も)を組織しています。
まず、特別委員会ではなく常任委員会とした理由は、やはり予算決算は特別事項ではなく毎年あるものだというもの。本市はその都度提案理由を述べて議決を経て特別委員会を組織しているが、その理由はない。
白山市は、本会議を経たのちに予算委員会全体会(議長を除く)に付託して、そこから各常任委員会の分科会で実質審議、その後理事会を経て全体会(分科会の委員長報告が主)で委員会採決で、これでは所属委員会に関係のない予算案は審議できない。その点は、文書で通告して最終の分科会で審議に参加できるという複雑な仕組みでした。
議案一体の原則(議案は分割付託できない)というのがあり、膨大な予算案はひとつの常任委員会で済む話ではなく、基本的には全体会で集中審議を行う事が原則です。(年度途中で出てくる補正予算は全体会のみで対応しているとの事)
二日目は、市内のお寺(行善寺)に隣接する形で建設されている複合福祉施設「佛子園」に。
ここはもともと戦争時や戦後、お寺が障がい児の預け先となっていたそうですが、隣接する学校だった施設をリフォーム利用して様々な福祉的施設を新築。どなたも楽しめる施設として生まれ変わっているところです。
国の地方創生事業「生涯活躍のまち事業」(総事業費14億円)を活用しているそうですが、施設内には介護や保育だけでなく、近隣住民は無料で利用できる温泉も整備。この地区(北安田地区)は、その為か少子化が進まない状況も生まれているそうです。
確かに、障がい施設や保育園、介護などはその施設だけで近所との交流はほとんどないのが実情で孤立しがちで、それがあらぬ誤解を生むこともあります。ここは病院やアスレチックジム、プール、名物のそばを食べさせる食堂など、市民誰もが利用できる施設があり、しかも綺麗でインストラクターもいるので、そうした交流が自然に深まるとの事。全国でも例を見ない形であり、本市に導入できるかというと疑問ですが、参考例にはなると感じます。